2024年 7月の星空を撮る





雲間から姿を見せた 夏の大三角と天の川銀河-揖斐谷-


予報は晴れということだったが、月出直前まで雲が空を覆った
雲に街明かりが反射して夜空が明るい

ようやく月が下弦となり、これからは日に日に半月を割り込んでいく
猛暑が続いているせいか、一面に靄がかかったような夜空
しかし贅沢は言うまい
星空はあまりにも久し振りで、星を見上げるためのリハビリが必要なほどだ

ところでこの夜は20時30分と21時15分の2度ゲンジボタルの飛翔を確認した
同一個体かどうかは確認できなかった
例年この時期に、またもう少し遅い時間帯にゲンジボタルの飛翔発光を確認する揖斐谷だが、今年もまた同時期の確認となった

それにしても暑い。夜間といえど、30℃を超えているのではないか。団扇がなければひとときも我慢できない夜が、まだまだ続きそうだ
こと座のベガ上方の光跡は人工衛星。この時間帯でベガの上方を飛行する人工衛星の光跡は、おそらく GSAT0210 (GALILEO 13)
Lithuania

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20mm、ISO1600、f2、25秒、マニュアルWB、赤道儀で恒星追尾撮影
高感度NRはoff、長秒時NRはoff、サイトロン・スターエンハンサー使用、Raw、揖斐谷
SONY α7M4 + FE 20mm F1.8 G

2024年7月28日21時31分







梅雨明けと 満月の出-池田山山麓-


ようやく梅雨が明けたらしい
揖斐谷では梅雨明けと同時に、国道の隧道路面が乾き出す
しかし今年はいつまでも豪雨後のような隧道内の路面状態が続いている。湿度が非常に高いのだろう
日本列島周辺の天気図を見ると、日本海に梅雨前線が延びている。そこに向かって南から暖かく(暑く?)湿った空気が流れ込み続けている。期待する梅雨明け後の天候にはほど遠い

池田山山麓から満月の出を撮る。写真を一瞥して分かる通り。もやっとしている
あと少し、あとしぱらくの辛抱、辛抱

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400mm、ISO400、f5.6、1/2秒、マニュアルWB、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはoff、三脚で固定撮影、池田山山麓
SONY α7RM5 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

2024年7月21日19時34分
 







西の山へ沈む 夏の天の川


ほんの数分で西から雲が押し寄せ、星空の状態は一変する
上の写真はこの夜の最後の1枚。梅雨の晴れ間というか、梅雨の隙間をかすめて撮影した1枚

夏の大三角は天の川の中央にはくちょう座のデネブ、天の川の左上にわし座のアルタイル、真っ先に山に沈むのがこと座のベガ。そして最後に山際へと姿を消すのがデネブである

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14mm、ISO800、f2、40秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷
SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM

2024年7月07日02時04分







押し寄せる雲の切れ間の一瞬に 秋の天の川を撮る


雲がとれて、もう晴れていていいはずだが、気象予報はどんどん先送りされて梅雨まっただ中であることを思い知る
わずか1時間だけ雲が切れて、星空を望むことができた

天の川の左に北極星。この写真では天の川の上部にはくちょう座のデネブがあり、ちょうど白鳥が逆さまに星空を飛んでいる
北極星のすぐ右の天の川の中にカシオペヤ座と、その右にアンドロメダ座大銀河M31が見える
さらにその下にはペルセウス座も顔を出し、ペルセウスの二重星団hχが見える

この時間では街明かりの影響はさほど気にならないが、人工衛星の光跡だけは勘弁してほしいと思う。赤道儀で恒星追尾撮影しているので、σクリッピング処理ができるといのだが、次から次へと押し寄せる雲の前に断念した
梅雨まっただ中に予期せぬ秋の天の川に出会えただけでよしとする他はない
梅雨明けまであと2週間ぐらいか? 延びないことを願っている

ところで日付が変わって今日は7月7日、七夕。新暦の七夕なので、梅雨まっただ中のことが多い
七夕で忘れられない思い出がある
1983年私は徳山小学校櫨原分校に在職していた。教員6年目。1年生3名、2年生2名の計5名の複式学級を担任していた。七夕の日に中国の七夕伝説の話をすると、子どもたちが目を輝かせて聞いていた。天気予報はあまりよくなさそうだったが、晴れて短冊に書いた願いが届くといいなぁ、と話したがその晩の星空は見えなかった。きっと晴れるからと、夜何度も外に出て夜空を見上げる子どもたちの様子を聞いた

気象庁のデータによると福井県今庄はこの日の日照時間は8.9時間。平均気温23.0度、最低気温は19.5度、最高気温が26.6度とある。、南南西の風4mの最大風速となっている。翌日の日照時間は0時間だから、夜になって雲が広がったのだろう

2024年の伝統的七夕、すなわち太陰太陽暦(旧暦)の七夕は8月10日。2025年は8月29日で、2026年は8月19日である。その頃には梅雨も上がって、七夕の星空が観られることを期待したい

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14mm、ISO800、f2、40秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷
SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM

2024年7月07日01時58分








梅雨の晴れ間 街明かりの中で さそり座・南斗六星・ティーポットを撮る


揖斐谷からは南天の星座を撮ることは困難だ。山々に囲まれていることに加えて、南は激しい街明かりの影響が避けられないからである
濃尾平野の南方には名古屋が位置するので、美濃平野部のどこで撮っても条件はさほど変わらない

ため息をつきながら南の空を見やると、そそり座のすぐ東に南斗六星が見えている。南斗六星というよりもティーポットが姿を見せていると言った方が分かりやすい
激しい靄が街明かりを受けて明るい空だが、それでもティーポットと形状を共有する南斗六星も見られた。上の写真、ちょうどティーポットから湯気を立てて天の川にお湯が注がれているように見える。ティーポットの下には みなみのかんむり座 も円弧状に恒星が連なっている様子がうかがえる

条件さえ揃えば、美濃平野部からも見られることに感心した夜だった

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20mm、ISO800、f2、10秒、マニュアルWB、赤道儀で恒星追尾撮影
高感度NRはoff、長秒時NRはoff、サイトロン・スターエンハンサー使用、Raw、美濃平野部
SONY α7RM5 + FE 20mm F1.8 G

2024年7月04日22時53分






梅雨の晴れ間 街明かりの中で夏の天の川を撮る


梅雨明け前ということが信じられない暑さが続いている
揖斐谷では梅雨明けの知らせとほぼ同じくしてトンネルの中が乾いてくるので、梅雨が明けたんだと感じることが多い
しかしここ数日は灼熱の太陽が照りつけ、これで梅雨明け前というのだったら梅雨が明けたらどうなるのか、と不安にかられる

天気予報とは裏腹に揖斐谷ではずっと雲がとれない。谷筋の局地的な前線のため、新月期にもかかわらず満天の星空が見られない
しばらく山中で様子を見たが、断念
仕方なく光害まっただ中の平野部へ出かけることにする。靄と光害には閉口するが、考えてみたらヒメボタル観察を始めてから初めての星空だ。ラジオ深夜便を聞きながら夜空を見上げ続けると、暗順応が進み天の川が見え始めた

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20mm、ISO800、f2、20秒、マニュアルWB、赤道儀で恒星追尾撮影
高感度NRはoff、長秒時NRはon、サイトロン・スターエンハンサー使用、Raw、美濃平野部
SONY α7RM5 + FE 20mm F1.8 G

2024年7月04日23時12分